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製薬転職

製薬転職で必要な英語力を職別解説「参考TOEICスコア有」

「製薬企業で必要な英語力/TOEIC点数が知りたい」「製薬転職する時に英語はいるの?」「製薬企業職別の募集要項の英語の記載はどうなっているの」といった疑問はありませんか?本記事では、大手外資系製薬メーカーで現役MSLの仕事をしている筆者が製薬企業に必要な英語力を解説します。

製薬企業で転職先をいざ探してみると、思った以上に応募条件で「TOEIC」の文字が出てくると諦めてしまった経験はだれしもありますよね!

どのような製薬企業で、どの程度のTOEICスコアを求めているのかが分かれば、目標も定めやすくなるはずです。自分が入りたい製薬メーカーの傾向と対策を知って、転職を成功させましょう!

しろくま
筆者はまだMSLとしては若輩の部類&そして英語力はまだまだです(TOEIC750点)
★この記事で分かる事★
  • 製薬企業の転職で必要なTOEICの点数が職業別に分かる
  • 代表的な募集要項のTOEIC(英語力)と年収が分かる

TOEICでハイスコアを取ると製薬転職で有利になる!

英語が苦手であればTOEICスコアが求められない製薬企業や関連の職種に転職するのもありでしょう。しかし転職する際、あるいは転職後のキャリアアップに英語力が求められるのであれば、TOEICで高い点を目指してみてはいかがでしょうか。

最近では製薬メーカーでもTOEICを中途採用の要件・参考にしている

国内外問わず、数多くの企業が英語力を測る指標としてTOEICスコアを重視しています。TOEICを運営している国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が2013年に「上場企業における英語活用実態調査」を行いました。それによると、約75%の企業が英語を使用し、約60%の企業が雇用するにあたって、TOEICを参考にしているそうです。グローバル化がさらに進んだ現代(2023年)では、さらに多くの企業で英語力が重視されていることが予想されます。

TOEICでハイスコアが応募条件となる企業も多く、その他のスキルや評価が同等ならTOEICのスコアが高いほうが優先されることは想像に難くありません。TOEICのハイスコアを持っていれば、転職ではかなり有利になるといえるでしょう。携わる業種の選択肢がグッと広まるので、勉強して損はありませんよ。

製薬企業がTOEICを採用に使う理由

企業はTOEICスコアを基準に、即戦力になるかどうかを判断しています。点数で英語力が一目で分かるので、人事から見れば非常に効率よく雇用するかどうか判断を下せるのです。

いま、日本の市場が成熟して久しく、多くの企業にとって、業務を拡大するためには海外進出が欠かせません。そのためには、海外の取引先や顧客とやり取りできる人材や、海外勤務できる日本人人材も必要です。TOEICのスコアが高ければ高いほど即戦力になってくれるだろう、と期待が集まるのは間違いないでしょう。

「TOEICだけで英語力は判断できない」という批判もたまにありますが、TOEICでハイスコアをとれるということは、能力があり・努力ができる、つまり仕事もできる人という予想が立てられます。単に英語力の有無を知るだけでなく、その他の素質についても測る1つの基準となるのです。

TOEICだけでなく英論文を読むスキルが必要な事も多い

製薬企業は職種によってはTOEICだけではなく、医学論文や製剤だったり、関連する疾患の英論文をしっかり読むスキルを求められる事も多いです。海外で先行して承認を得た薬剤の内容やガイドラインの情報を学会の情報ページなどで得る事も多々あるので、それらが必要な職種ほどそういった知識を習得するための英語力が求められます。

しかし、情報を集めるのは英語でも、発信したり情報を使うのは『日本語』だけという場合には、喋ったり書いたりする必要がないのでTOEICの点数はあまり求められなかったりします。

つまり製薬企業で転職やキャリアアップを狙う場合にはそれぞれの職種でどれくらいの英語力が求められるのかしっかり理解する必要もあります。

TOEICのハイスコアはキャリアアップにも有効!

ハイスコアをとるメリットは製薬転職の時だけとは限りません。異業種での転職先の選択肢も可能性も増えるだけでなく、選べる職業や勤務地、業務の幅も広がります。海外出張選抜の基準に使われることも多いのです。

実際に、IIBCの調査によると、5割の企業が人材育成の取り組みとして社員の英語教育に力を注いでいることが分かっています。その英語力の判断には、TOEICのスコアを利用。さらに約7割の企業が国際部門で業務に携わるためには700点以上のスコアを期待されています。

製薬企業では一定以上の英語力があれば、昇進や昇給につながることもあります。例えばMRからMSLへ転職したいなどのキャリアチェンジではTOEICスコアが求められます。

「職種別」製薬会社の転職で求められる英語力

ここでは製薬会社の転職で求められるTOEICの点数/英語力を「職種別」に解説します。製薬会社の職種はぶっちゃっけ多いので全てとはいきませんが、幅広く網羅しています。

筆者がそれぞれの「職種別に求人をしっかり確認した参考のTOEICスコア/必要英語力」もあるのでぜひ見てみて下さい。

MR(営業)

MR(営業)転職におけるTOEICの点数/英語力はまだまだ必須のレベルではありません。

MRが求められるTOEICの点数は企業によってバラバラ感があり、転職のために絶対に必要となる企業はまだ一部に限ります。

求められるスコアは0点(全く必要なし)から稀に730点での足切りがあるといった感じです。

MRが転職でTOEICスコアが求められる理由としては、すぐに英語を使うからという意味合いよりも『努力が出来る人なのか』を判定し『内部でのキャリアチェンジ、キャリアアップ』の可能性を探る意味合いもあります。

そして、必要としている企業は少ないのですが、採用そのもののハードルは最近になってかなり上がってきています。採用ハードルが年々上がってきてる中で、応募が沢山あれば英語が全くできない人を足切りの材料にする事も可能です。

ただしMRが転職する際に求められる必要な事は、英語よりも即戦力の要素の「MR経験年数」である事が多いです。異業種からの転職でMR未経験となると厳しいので、まずはコントラクトMRから挑戦される方も多いのが現状です。

コントラクトMRを数年経験したあとに製薬会社に転職するという人も多いので、英語力が無くてもMR職は十分狙える範囲です。35歳位迄で、経験年数が3年以上あれば、ほぼ100%近くの企業が興味を示します。

必要なTOEICスコア/英語力の一例

募集職種 必要な英語力(TOEIC点) 想定年収
グローバル製薬メーカーでのMR (歓迎要件)日常会話が出来る英語レベル 600万円~800万円
大手製薬メーカー 英語スキルあれば尚可 ~700万円
グローバル製薬メーカーでのMR 英語力(会話レベル) 500万円~950万円
しろくま
MRはTOEICスコアを保持していなくても問題ありません。ただし、大手製薬や課長職以上で必要になってくるケースも最近では多いです!

MA/MSL/MI

MA(メディカルアフェアーズ)、MSL(メディカルサイエンスリエゾン)、MI(メディカルインフォメーション)の転職においてTOEICの点数や英語力は必須のレベルのスキルです。

MSLが求められるTOEICスコアは700点~800点あたりで足切りがあり、その他ベンチャーや外資系ならビジネス英会話は必要となります。

大手外資系でも平社員だと英語でのコミュニケーション不要だったりもしますが、マネージャーになると海外とのやり取りや会議聴講も増えるので、英語でのコミュニケーションは必須となってきます。外資ベンチャーだとそもそも英語でのコミュニケーション機会が格段に上がります。

ただし、まだまだ一部企業やコントラクトMSLは学術論文を読むためのリーディングスキルがあればなんとかなります。英論文を読めないとなるとかなり厳しいので、まずはそこからチャレンジするのが良いでしょう。

必要なTOEICスコア/英語力の一例

募集職種 必要な英語力(TOEIC点) 想定年収
支店MSL 学術論文(日英)の読解力を有する方 700万円~1000万円
MSL及びオフィスメディカル 英語力(TOEIC730点以上) ~800万円
MA/MSL部マネージャー職 ビジネスレベルの英語力 600万円~1000万円
【未経験可能】MSL 英語力(TOEIC700点以上が目安) 500万円~1200万円
R&D Oncology Scientific Affairs, Associate Principal Scientist TOEIC800点以上の英語力 600万円~1200万円
メディカル・インフォメーション 英語力(TOEICスコアがなくても論文をきちんと読め、英語に抵抗のない方) 500万円~
エリアのMSL機能職 TOEIC730点以上 600万円~1000万円

しろくま
筆者が現役のMSLは転職時にはTOEICスコアで足切りされることも多く、特に論文の読解に英語力は必須、会議の場や上司が海外の方の場合にビジネス英会話が必要です!

臨床開発

臨床開発における求められるTOEICの点数はかなりバラつき感があります。そもそも臨床開発という名前に中にはかなり多くの職種があるためです。

例えば、その中でも海外とのやりとりがある国際共同開発・当局対応となればビジネスレベルは絶対必須レベルになってきます。また、英論文を読む必要がある職種はTOEIC点数よりも英論文の読み方などもしっかり見られるでしょう。しかしモニターであれば求められない事もあります。

求人を見てみると年収のレンジで見た場合でも~500万円以下の職種が英語の読み書きを求められることがあります。もちろん一概に年収が〇〇万円だから英語が必要だという事はありませんので、転職する際は募集要項の確認やエージェントに聞いたりする事も必要です。

必要なTOEICスコア/英語力の一例

募集職種 必要な英語力(TOEIC点) 想定年収
モニター(未経験の方) 【歓迎経験】英語力に長けている方歓迎 400万円~500万円
Clinical Operations ビジネスレベルの十分な英語でのコミュニケーション能力 750万円~1500万円
Clinical Trial Educator 【歓迎経験】英語でコミュニケーションがとれる方 経験により応相談
海外臨床開発(コーディネーター)職 英語論文(生物・医療・化学系)を精読できる方 450万円~650万円
Clinical Trial Assistant 英語の読み書きができる方 350万円~450万円

研究職

研究職における求められるTOEICの点は製薬メーカーによってバラバラであり、研究で必要な学術論文が読解出来ればTOEICスコアは不問の場合もあります。

ただし、論文を読む量は勿論多くなりますし、読み取りのスピードも必要になるので、ビジネス英語というよりは医療や統計、生物系に寄った英語のリーディングスキルが求められる事でしょう。

必要なTOEICスコア/英語力の一例

募集職種 必要な英語力(TOEIC点) 想定年収
内資製薬企業 安全性研究職 英語力(論文読解) 400万円~650万円
受託CRO 研究開発支援(非臨床試験/安全性薬理) 論文が理解できるレベルの英語力必須 300万円~800万円
Principal Scientist, Pathology ビジネスレベルの英語力(TOEIC730以上程度) 経験により応相談
バイオロジクスのプロセス/分析研究や技術 TOEIC700点以上 700万円~850万円

生産、品質管理

生産・品質管理における求められるTOEICの点数はあまり必要ではないか、もしくは管理職や歓迎要件とするところが多く、仕様書や企画書を読むためのリーディングスキルの方が求められる事が多いでしょう。

マネージャークラスを狙うのであればTOEICスコアはあるに越したことはないですし、何より転職の幅が広がります。

必要なTOEICスコア/英語力の一例

募集職種 必要な英語力(TOEIC点) 想定年収
【GMP分析】バイオ医薬品の分析法の開発および試験(管理職候補) @大手CRO <歓迎要件>英語力:ビジネスに支障のないレベル(とくに読解、作文)※管理職の場合、必須 500万円 ~ 900万円
【品質保証】低分子医薬品に関する信頼性保証業務(スタッフ~経営職) @大手製薬(静岡) 英語力:海外企業、海外関係会社と専門分野について基本的なコミュニケーションができるレベル (英語の読み書きに不自由しないレベル 650~1,200万円
原薬・製剤分析担当 ■英語論文、仕様書、規格書が読解できるレベルの英語力 500万円~700万円

本社(マーケ、人事、総務、等)

本社職における求められるTOEICの点数は製薬メーカーによってバラバラではありますが、大手外資系では必須レベル、グローバルのやり取りが無い場合であれば求められない場合もあります。

特にマーケやリサーチなどの職種を狙っている場合は、転職の選択肢が圧倒的に増えるので英語はやっておいて損はありません。

必要なTOEICスコア/英語力の一例

募集職種 必要な英語力(TOEIC点) 想定年収
大手製薬企業 人事管理部員 TOEIC730点以上 経験により応相談
海外事業担当 TOEIC:800点以上 500万円~1200万円
グローバルマーケティング戦略 英語TOEIC 700点以上 ~900万円
海外事業担当 リサーチによる支援 英語スコア(目安:TOEIC:800点以上 500万円~1200万円
医薬品のマーケティング担当者 TOEIC:750点以上 700万円~950万円
医療経済&アウトカムリサーチ  英語: ビジネスレベル (TOEIC 800点以上) 400万円~750万円
しろくま
外資系では軒並みTOEICスコアは必須級で、管理職になるとビジネス英会話が出来ないとお話にならない場合もあるのでキャリアを検討している方は注意しましょう。

まとめ

「製薬企業で必要な英語力/TOEIC点数が知りたい」「製薬転職する時に英語はいるの?」「製薬企業職別の募集要項の英語の記載はどうなっているの」といった疑問について、大手外資系製薬メーカーで現役MSLの仕事をしている筆者が製薬企業に必要な英語力を解説してきました!

職種別にそれぞれ必要となる英語力は異なりますので、キャリアアップを狙っている人は早い段階で英語の基礎力を鍛えておいて損はないでしょう。

また、英論文を読むとなるとその職種や領域にあったリーディングスキルも必要となるので、注意が必要です。

皆様が英語力を高める事でキャリアアップの道が開ける事を願っております!!

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